佐藤成史
FF徒然草 第31

☆スローフィッシングの勧め

  ……花鳥風月に酔いしれながらデジカメで遊ぶ




 *スローライフ

 “スローライフ”なんていう言葉が流行り出したのは、90年代のバブル崩壊以降だったでしょうか。

 浮世の騒々しさや、物事の流れに惑わされることなく、時間に支配されずに生きて行くこと……つまり、ゆったりのんびり、精神的に豊かな生活を心がけましょう……ということですね。

 ほとんどの人がそんな考え方に賛同されるかもしれませんが、いざ自分の日常の中に取り入れてみようとすると、なかなかうまくいきません。迷走する情報社会の中で生きていくためには、ゆとりを持つことすらとても難しいものです。

 そんなわけで、スローライフを実践しても生活に全く影響のない一部の皆さんはともかく、我々小市民にしてみたら“スローライフ”という言葉は憧れにすぎないものなのかもしれません。自分自身を振り返っても、間抜けなビジーライフを実践しているようにしか見えませんから。

 人生最大の楽しみである釣りに行っても、同じようなものです。でも自分自身を省みたとき、最近少し変わってきたことがあるのですよ。

 それは特にプライベートの釣りのとき、周囲の状況を観察するようになったことです。これには仕事の兼ね合いがあったりもするのですが、釣らなくてもいいときは本当にのんびりできるようになって、あれほどギラギラしていた釣欲も失せてきました。スローライフはダメでも、スローフィッシングには開眼したのかもしれません。

 生きとし生けるものや、花鳥風月に気持ちを揺さぶられます。道端に咲く花や、生き物たちの姿かたちや存在などがやけに気になるのです。

 当然釣れる魚の数は減ったのですが、不思議なことに、ここという場面での失敗が少なくなった気がします。

 この年になって、ようやく心のバランスが取れるようになったということでしょうか。

 *マクロレンズがあると……

 しかしながら、自分の行動を端から見ていると、ずいぶん目まぐるしく動き回っているのだそうです。自分ではまったく意識していませんが、相当に速い遡行スピードを保ちながらも、突然何かを見つけてカメラを取り出したり、一度は通り過ぎた箇所に踵を返して戻ったり、忙しく動いているのだそうです。こんなところに、せっかちな性格がそのまま出ているのですね。

 そして写真の撮影枚数は、以前の何倍も増えています。デジタルになって撮影コストが下がったこともあり、釣行時にデジカメは欠かせないアイテムになりました。

  コンパクトデジカメ(コンデジ)の場合、撮像素子の特性や構造的な理由で、望遠やマクロに優れている機種が多いようです。川辺で渓魚や水生昆虫等を中心に撮影するなら、マクロはとても便利ですね。私は銀塩フィルムの時代から50mm100mmのマクロレンズをずっと愛用してきていますから、マクロに強いコンデジはとても使いやすく感じます。目についたものを詳細に記録するためには、マクロは強い味方になります。

 その一方、広角側では欲求不満気味になりますが、そちらにこだわりたいときは一眼デジカメを持ち出すようにしています。

 ということで、今回はマクロレンズで撮影した写真を数点紹介してみました。

 皆さんもスローフィッシングのお伴に、デジカメをぜひともご用意ください。

 それからもう少しすると、スローフィッシングをテーマにしたDVDが発売される予定です。昨年、北陸地方でロケした作品なのですが、そろそろビデオメッセージの編集作業も佳境に入っている頃ですよね、ヤトミさん!?

佐藤成史


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